血管アクセス治療部門
透析治療にはその治療を遂行するための「血管アクセス」が不可欠です。
医学の進歩により透析治療が以前より長期化している現在、質の高い透析治療を提供することと同じくらいに「血管アクセス」を良い状態に保つことが重要です。
血管アクセス治療には大きく分けて、透析シャントPTAと呼ばれるカテーテル治療と手術治療がありますが、当法人では外科系医師・内科系医師の連携により両者に対応できる体制づくりをしています。透析シャントPTA治療については通算2000件以上の実績があり、エコー下、X線透視下、どちらでも実施可能です。
今後も皆様が透析シャントに関する心配ができるだけ少なくように医師一同精進したいと思います。
看護部門
高齢化や治療の長期化に伴う多疾患併存症への対応など透析領域では現場看護に求められることが年々増えています。しかし欅会看護部門では、早くから看護師主導でリスク管理体制構築に取り組むなど日常業務だけに埋没しない質の高い標準看護を合言葉にカンファレンスや連携会議を積み重ね、学会・研究会へは参加するだけでなく発表実績も多数あります。コロナ禍では流行早期にいち早くワクチン接種体制を作りあげ透析領域だけでなく高齢者施設へのアウトリーチ活動にも取り組むなど地域でもその活躍が注目されました。
また福祉連携科と協力した「終末期透析看護」にも2000年代早期から取り組んでおり、今後益々重要視される領域なので更にエネルギーを注いでいかなくてはと考えています。
尚透析技術認定士、糖尿病療養指導士などの資格する取得する看護師も年々増えています。
臨床工学部門
欅会の透析治療部門では早くから配管消毒法などを工夫し透析液清浄化に取り組み合併症を未然に防ぐための治療インフラを着実に積み重ねてきました。
オンラインHDF治療実績(前希釈、後希釈)も豊富であり、最近では新しい重症下肢虚血に対する新しい血液吸着治療にも取り組み、エコー下透析シャント穿刺、透析シャントエコー検査など臨床工学技士の活躍する領域が年々増えています。
臨床検査科
透析治療や慢性腎臓病治療に際しては、従来の検体検査や生理検査だけでなく高齢化・多疾患併存状態に対応した検査体制作りが必要です。特に最近では超音波機器の進歩はめざましく、透析シャント、心臓、腎臓、頸動脈などのエコー検査を定期的に実施し、適切な時期に早期に治療介入できるように各検査技師がその技量向上に努めています。
福祉連携科
治療の長期化や社会全体の高齢化に伴い疾病の治療だけでなく
「生活を支える」仕組みづくりが年々重要になっています。当法人では、社会福祉士が様々な制度を活用した環境調整をサポートし安心して治療を受けられる
仕組みづくりをお手伝いします。また医師や看護師など他職種との密度の高い連携体制を構築し、常に施設間交流もしているので、どの施設でも同じような生活支援を受けることができるのも当法人の特徴です。
栄養管理科
腎疾患、糖尿病、高血圧などの代表的内科疾患に対する栄養指導件数は年間500件を上回り、要望がある他の医療機関での栄養指導(アウトリーチ活動)や健康サポート薬局や行政との連携事業(栄養ケアステーション)にも取り組んでいます。透析部門や介護部門では近年重要視されている低栄養に対する取り組み(栄養評価による合理的介入)も強化しています。
リハビリテーション科
通所リハビリ施設に理学療法士が常駐し、質の高い運動療法を受けられるだけでなく、透析医療現場や看護多機能施設へ理学療法士が赴き、移動能力や身体活動の保持や改善を図ることで治療や介護を側面から支えています。また、栄養管理科や福祉連携科との連携も密であり、学会誌への論文投稿など慢性疾患に対する質の高いリハビリテーションを提供できる体制を年々強化しています。